9/21/2004

藤沢荒川区長の逮捕

警視庁捜査2課は18日に区役所の清掃業務の発注に絡み藤沢志光区長とビルメンテナンス会社「新光ビルシステム」社長の石崎克博を収賄容疑の疑いで逮捕した。藤沢区長は01年10月、荒川区役所本庁舎の管理業務を継続して受注できるよう便宜を図った謝礼として、石崎社長から都内で数十万円のわいろを直接受け取った疑い。藤沢区長は収賄容疑を否定しているが石崎克博社長は収賄容疑を認めている。23区の区長が収賄容疑で逮捕されたのは1955年の品川区長以来とか。

藤沢区長は8月のアテネ五輪で荒川区出身で平泳ぎ競泳金メダリストの北島康介選手の「あらかわ区民応援団」の名誉団長として現地て声援を送っていた。北島選手が区役所で凱旋報告したときの藤沢区長のパフォーマンスはマスメデアで広く報道された。また、荒川総合スポーツセンター内のプールを「北島康介選手記念プール」と命名しようとして話題になった。今回の逮捕で輝く荒川の星、北島選手の栄光に泥を塗ってしまった。藤沢区長は荒川区民に謝罪をするべきである。

今年6月には前助役の高橋祥三も区発注の健康器具設置工事に関連して別の業者から賄賂を受け取ったとして収賄罪で起訴されているので荒川区のダブル不祥事(汚職)である。今回の藤沢荒川区長の逮捕は前助役の高橋祥三被告が5月に逮捕され、荒川区の公共工事発注状況を警視庁捜査2課が調べる中で藤沢区長の収賄容疑が浮上したため。助役逮捕から4ヶ月、汚職事件がトップへと発展した。藤沢区長は8月1日付で総務部長以下部長級3人、経理課長ら課長級8人の人事異動を行い、議会から「疑惑隠しだ」との批判が出ていた。

警視庁捜査2課の調べに対して石崎克博社長は「荒川総合スポーツセンターの運営業務の受注でも便宜を図ってもらった」などと供述していることが19日に判明したと報道されている。藤沢区長が2001年5月に区長に初当選した後の2002年2月に発注方法が「随意契約」から見積もりを出させて競わせる「指名見積もり競争」に変更され、ビルメンテナンス会社「新光ビルシステム」が2002年度の運営業務を受注した。さらに、区役所は2003年3月、発注方法を再び随意契約に戻し、2003年度と2004年度の運営業務を同社に委託していた。発注額は2002年度が1億6300万円、2003年度が1億8500万円、2004年度が1億8700万円と年々増えた。同スポーツセンターの運営業務は2001年度までの17年間、都内の別の業者が随意契約で請け負っていた。他に荒川区保健所の冷暖房設備の保守点検も2002年度から委託していた。

捜査2課の調べでは、石崎社長は藤沢区長が都議時代からの顔見知りで、藤沢区長が01年5月に就任してからは料亭やクラブでたびたび接待を繰り返していた。この背景には2001年度の区長選挙で「新光ビルシステム」の石崎克博社長が対立候補を支持したため30年以上にわたる荒川区本庁舎の管理業務契約の継続受注に強い危機感を抱き、当選直後から藤沢区長への急接近が挙げられている。藤沢荒川区長に就任した後の02年度以降、「新光ビルシステム」が荒川区内で受注した事業は総額約8億円である。

区議会は開催中だが区長と助役の不在な議会になってしまった。区民の殆どは「区長までが…」「事実なら許せない」と憤っている。区役所の幹部が会議を開き、三嶋重信総務部長が21日から区長職務代理者となる方針を決めたが区民の信頼を回復できるだろうか。次に区役所の幹部職員が収賄の疑いで逮捕されるような事態になったら荒川区の区役所は汚職の巣であることになる。荒川総合スポーツセンターに係る発注方法の変更とデフレの時代の業務委託費の増額は不可解である。区役所の幹部職員と区議会議員は区役所が発注する業務委託について適正なチェック機能を果たしているのかという疑問が残る。

警視庁が19日に区役所の家宅捜索を行なった。区議会の与党の自民党は起訴されるまで静観するとか、共産党は辞任しなければ「辞職勧告決議案を出す」とかで議会各派の対応が分かれている模様。

4月に刊行した藤沢志光区長の著書「荒川区 全国一への挑戦」の中で荒川区はどこを切っても日本一とか述べているようだが汚職でも荒川区は全国一であることを本人が全国に宣伝する結果になった。当然のことながら、10月4日および6日に日暮里の駅前ホテルで開催が予定されていた会費1万円の出版記念パーテーはキャンセルされた。

藤沢荒川区長の逮捕の第一報はここ、その後の一連のニュースはここをクリックすると閲覧できます。著書については「荒川区 全国一への挑戦」をご覧下さい。


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